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写真BAR白&黒
菊池 写真BAR白&黒


梅雨明け!海開き!・・・毛皮厚っ!


菊池の目次
2005年

7/20 ヒロ・コジマさんインタビュー

6/11 望月研さんインタビュー

5/19 加藤学さんインタビュー

4/19 原啓之さんインタビュー

3/13 本多コウジさんインタビュー

2/20 菅原はじめさんインタビュー

1/15 佐藤俊和さんインタビュー

2004年

12/26 高橋正美さんインタビュー

11/14 中村光一さんインタビュー

10/23 山岸直子さんインタビュー

9/12 petite satchiさんインタビュー

8/12 川口敏彦さんインタビュー

7/28 ヒロ・コジマさんインタビュー

2003年

10/19 長谷恭三さんインタビュー

9/28 高橋正美さんインタビュー

8/11 望月研さんインタビュー

7/8 西村聖一さんインタビュー

6/15 うらかわまゆみさん
インタビュー

5/17 橋本和彦 & JU JUN YONG インタビュー

4/12 松村幸枝さんインタビュー

3/13 かやのしほさんインタビュー

2/13 太田裕さんインタビュー

1/13 吉田幸生さんインタビュー

2002年

12/9 浅野マサオさんインタビュー



菊池のプロフィール
生年未詳の流れ者。
性別♂。血液型O型。
憧れの男=長谷川平蔵




「熊野古道」って「武士道」みたいなやつ?へ、ちゃうの?おばあちゃんがおったり、田んぼがあったり・・・なんや懐かしい風景やなぁ。

2005/5の展示 加藤学さん

はじめまして。

「呑め〜!」ワシに酒をすすめる加藤はん。
お手やわらかに。
加藤 お会いするの、初めてじゃないですよ。ほら、中村くんのときの・・・。
おお、そやった。去年11月の中村光一はんの展示のとき、一緒に話聞かせてもろたんや。ところで熊野古道ってなんやの?
加藤 菊池さん、去年の夏に「紀伊山地の霊場と参詣道(さんけいみち)」が世界遺産に登録されたのは知ってますよね?
そういや聞いたような・・・。でもワシ犬やから。
加藤 やっぱり東京の人にとっては少し遠い話なのなかぁ。(菊: せやから、ワシ犬やって)世界遺産に登録されたのは、「吉野・大峯(おおみね)」「高野山」「熊野三山」という三つの霊場と、それらに至る道です。熊野古道は伊勢方面から熊野三山に伸びる道のこと。熊野古道とひとくちに言っても、中辺路(なかへち)、小辺路(こへち)、大辺路(おおへち)、伊勢路といろいろな道があるんですよ。今回展示する写真のうち、何点かは正確には世界遺産の登録地域外のものもあります。
へぇ〜。いま話題沸騰のスポットなんや。加藤はんはいつ行ったん?
加藤 ぼくは2002年から2003年にかけての1年ほどのあいだ、月に2回ほど通ってました。当時中部版で、「熊野古道」というタイトルの連載をもっていたので、北から順に取材しながら歩いたんです。
あ、加藤はんも新聞社のカメラマンはんやったもんなあ。やっぱり世界遺産に登録されるっちゅうことで連載しとったん?
加藤 ええと、企画当初、遺産登録はもうじきだろうなぁとうすうす感じてました。ただ、紀伊山地のなかでもなぜ熊野古道にしたかというと、大阪・京都からのルートが古くから貴族が通る道なのに対して、熊野古道は庶民の道だったから。江戸時代、庶民のあいだにお伊勢参りが流行して、関東や西国から伊勢神宮に来た人たちが、ついでに熊野まで足を伸ばしたそうです。旅の開放感をもっと味わおうって魂胆だったんでしょう。熊野古道は魚を山の向こうに運ぶ生活道路でもあったんですよ。なので、世界遺産といってもぼくのテーマは「庶民の道」。
うんうん、おばあちゃんや田んぼが写っとるもんなぁ。
加藤 竹林を背景におばあちゃんが手を合わせている写真は、松本峠というところです。これは貴重な写真で(笑)、何が貴重かっていうと、峠のお地蔵さんにはお線香やお花がいつも手向けられているんですけど、一緒に歩いた人の話では、誰がやっているのかわからなかったらしいんです。で、通りかかったら偶然おばあちゃんがお参りしている。実は、お供えをしていたのはこのおばあちゃんだったという。
へぇ〜。
加藤 以前峠の近くに住んでいて、町に移り住んでからも、片道1時間かけてお参りしているそうです。
ふぅ〜ん。・・・ふつうの人が大事にしとるってことなんやろなぁ。カウンター後ろの「ふつうの人」がいっぱい笑顔で写っとる写真も印象的やなぁ。
加藤 あれは、花の窟(いわや)神社というところの縄をかける神事、お祭りの写真です。日本書紀にある、伊弉冉尊(いざなみのみこと)が火の神を産んで亡くなった場所とされていて、歌ったり舞ったりして、神様をなぐさめるそうですよ。
日本書紀かぁ・・・ワシもまだ生まれとらん。
加藤 もちろんぼくもです(笑)。実は今回の遺産登録、自然遺産じゃなくて文化遺産として登録されてるんですよ。このエリアは古い歴史があるし、文化を育んできたから土地だからなんでしょうね。
文化かぁ。展示の写真見ても、日本の懐かしい風景っちゅう感じするもんなぁ。そういや田んぼの写真で、田んぼの脇にいるんは子ども?子どもがお面つけとるん?
加藤 あ、あれはカカシなんですよ。
え?誰か入っとるんかと思った!
加藤 あれは丸山千枚田というところの、古道脇にある田んぼです。あぜ道を歩く子どもになぞらえてつくったものらしいですね。このときはちょうど夕暮れどきでした。
へぇぇ〜。不思議に生き生きと見えるんは光の加減やろか。微笑ましいなぁ。人情的にもあったかい感じする。
加藤 そうですね。ぼくも地元の人で知り合いができましたけど、皆さんあたたかかったですね。泊まる民宿もいつも同じところで、民宿の人や、飲みに行くお店の人たちとも自然に仲良くなれました。
ふんふん。
加藤 世界遺産に登録することについて、一部反対している地元の人もいるそうなんですが、多くの人たちは喜ばしいことだと思っています。熊野古道が見直されてきたのはここ10年くらいで、もともとは素通りされてしまう土地だったんですよ。一部のエリアでは過疎化や高齢化も深刻ですし。「遺産登録をきっかけに多くの人たちに来てもらいたい」というのが、地元の人たちの共通の願いです。例えばあの松本峠では、地元の人たちがボランティアで掃除をするなどとても積極的です。ただ、高齢の方が多くて、これから10年先、20年先はどうなってしまうんだろうという不安をお持ちでしけど・・・。
ワシももう少し若かったら・・・。いやいや、何言わすねん!ところで展示の写真は連載で掲載されたもんなん?
加藤 はい。反響があった写真を中心に、なるべくわかりやすいもの、熊野古道のよさを伝えられるようなものを選びました。多分東京の人はあまり知らないだろうから、少しでも興味をもってもらえたらうれしいですね。世界遺産に登録されたのは、ぼくが東京に転勤になったあとなんですけど、実は登録直前、熊野古道でちょっとしたイベントがあって、どうしてもぼくも何かやりたいと思って、休みなのに取材に行って、ちゃっかり記事にしちゃいました。
すごいなぁ。地元の人の気持ちに入りこんどるんやろなぁ。ほな最後に加藤はん、熊野古道のおすすめの時期は?
加藤 そうですね・・・いつ行ってもその季節ならではのよさがありますけど、新緑がきれいな今が一番いいかもしれませんね。
ほなワシも休みとって行ってこよかな。え?マスター、ワシに暇(ひま)出すん?
(おわり) 

菊池のひとこと

あの切り絵みたいな写真がどうしても気になるんやけど・・・。
加藤 あれはカカシの写真と同じ丸山千枚田という地域の、田植え直前の水を張った棚田です。赤い線は通りがかった車のヘッドライトとテールライト。夕暮れを待って撮ったものです。山の上から撮ったんですが、3日間山に通って、車が通ったのは2日目だけでした・・・。すごく不思議なシャッターチャンスでしたね。この写真だけじゃなくて、熊野古道ではなんだか不思議な出会いや撮影チャンスがいっぱいあったんですよ。

加藤はんの連載記事はここで読めるで。加藤はんが出会った地元の人や風景の話、読みごたえあり!
http://chubu.yomiuri.co.jp/yama/kumano.html


加藤学さんの展示