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菊池が斬る!?
アジアンパラムシアター・コラムニスト対談(韓国映画編)

菊池が斬る!?アジアンパラムシアター・コラムニスト対談(韓国映画編)


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「日本とあんまり変わらないじゃん!」というおもしろさ

マスター 日本人の二人にとって韓国映画はどうなの?おもしろいの? 丸山氏

丸山氏
丸山 おもしろいね。今回いろいろ見て「あ、日本と変わらないじゃん」というおもしろさがあると思った。違う国の全然違う文化を見るおもしろさじゃなくて、日本とあまり違わない感覚で成立している映画なんだな、っていう新鮮なおどろきがあった。良質な日本映画を見る感覚かな?ただ何本も見ていくとひょっとしたら飽きるんじゃないかっていう心配もあるんだけどね。
佐々木 僕の場合は、さっき話したアジア映画の新しい流れで中国第5世代と言われたものと似たような感動があったなあ。近くて遠い国、遠くて近い国。こういう感覚「忘れてたぜ」みたいな。
マスター さっきも話したけど、以前は韓国人全体が韓国映画を見なかったのね。見てたのはハリウッドとか香港映画ばっかりで。最近は自分も韓国映画をよく見るんだけど、おもしろいと思う。何故かというと「チング」でローラースケートの場面があったけど、俺も学生のときに同じことしてたから。今まで自分たちが経験したことを映画でやってくれるから共感しておもしろいなあって感じるんだよね。(だんだん熱くなるマスター)あと、「チング」で学校でバンド演奏があったでしょ、韓国は共学じゃないからああいうふうに時々女子高に遊びに行くのが楽しみだったの。それと悪い奴は悪い奴で必ず何人かいて・・・(ますます熱く青春時代を語るマスター・中略)
逆に日本人から見て「これはわからない」っていうのはある?
丸山 やっぱり家族の描き方かなあ。
佐々木 八月のクリスマス」で死ぬ前にお父さんのそばで寝るじゃない。あれはわからないよね〜。
マスター 俺はね、もし自分がもうすぐ死ぬとしたら、あの家はお母さんがいなかったけど、俺はお袋のそばにそーっと行って隣で寝たいね。
佐々木 僕らが共感できないのは、日本人の気持ちのなかで「葬式で泣いちゃいけない」とか、そういう部分を外に出しちゃいけないっていう教育があるせいかな?
マスター 俺見てて思うのは、日本人って親が子どものことあまりさわらないと思う。俺が韓国に帰ったら今でもこうやって足さわってきたりするからね。(佐々木さんの太ももをさする)
佐々木 やめてくださいよ、僕日本人だから(笑)。
丸山 確かに日本ではスキンシップないね。いい年になったらなおさら。家族の捉え方って国によって違いが出るよね。アメリカ映画はアメリカ映画でまた違うじゃない。
佐々木 家族を大切にする視点が違うだけなんでしょうね。家族もそうだけど、食事も文化が出ると思う。鉄の箸でどんぶりをテーブルに置いたまんま食べるっていうのも最初びっくりした。文化の違いを一番感じるのは韓国映画でフツーに焼肉を食っているところかなあ。
丸山 僕は「春の日は過ぎゆく」で辛ラーメンを袋から食べてるところ。あれはやめてくれって思ったよ。(笑)でもそういうところ以外、現代の韓国映画を見てると日本とそんなに変わらないよね?「チング」なんか、回想場面はまんま「男一匹ガキ大将」の世界だもんね。ほとんど違和感なかったよ。

韓国映画の未来はバラ色?頭打ち?

菊池 これからの韓国映画はどうなると思うん?
佐々木 僕はあんまり明るくないと思いますよ。「豚が井戸に落ちた日」のホン・サンス監督は欧米でも高く評価されているんだけど、「オー!スジョン」は日本ではきちんとした形で配給されてないのよ。公開する価値のある映画なのに日本に入ってこない。「シュリ」「JSA」の大味な映画と「八月のクリスマス」みたいな小品の佳作、の両方が入ってきてたのに、最近は宙ぶらりんの映画しか日本に来なくなった。発信地のレベルは下がっていないんだろうけど、韓国映画頭打ちかな?と感じてしまう一因になってるなあ。
丸山 国際的な評価でいえば、イ・チャンドンが2002年に「オアシス」でベネチア国際映画祭の「監督賞」をとってるし、ホ・ジノとか、これから国際映画祭で大賞をとるような作品が出てくるだろうね。多分何年か後には韓国映画の時代になると思うよ。でもこの先そんなにバラ色じゃないと思う。
佐々木 ホ・ジノは決して「韓国映画」というくくりじゃなくて「その人の映画」になってきていると思うのよ。ホ・ジノは「世界のホ・ジノ」に駆け上がるよ多分。
マスター でも世界で評価されたからって韓国人は見るわけじゃない。「世界のホ・ジノ」になったら逆に韓国人は見ないかもしれない。
丸山 もし韓国人気質にそういうものがあるとしても、まあ日本もそうなんだけど、今は「当たる当たらない」になっちゃってるじゃない?やっぱり良質なエンターテイメントをつくることが大事だと思うんだよね。

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ラインナップ
第30回 少年、機関車に乗る
第29回 風の丘を越えて〜西便制〜
第28回 インファナルアフェア
第27回 ボイス
第26回 HERO
第25回 ほえる犬は噛まない
第24回 欲望の翼」つづき
第23回 猟奇的な彼女
第22回 欲望の翼
第21回 ディープ・ブルー・ナイト
第20回 藍色夏恋
第19回 われらの歪んだ英雄
第18回 夏至
第17回 接続 - ザ・コンタクト -
第16回 カップルズ
第15回 ディナーの後に
第14回 祝祭
第13回 豚が井戸に落ちた日
特別編 コラムニスト対談(韓国映画編)
第12回 魚と寝る女
第11回 ペパーミント・キャンディー
第10回 ラスト・プレゼント
第9回 グリーンフィッシュ
第8回 友へ チング
第7回 カル
第6回 反則王
第5回 美術館の隣の動物園
第4回 イル・マーレ
第3回 アタック・ザ・ガスステーション
第2回 八月のクリスマス
第1回 春の日は過ぎゆく


「オー!スジョン」
2000年。「豚が井戸に落ちた日」のホン・サンス監督。男女二人が結ばれるまでの過程を、男女それぞれの視点と記憶を通じて描いたもの。この作品は前作の「江原道の力」に続いてカンヌ映画祭「ある視点」部門に出品され、国際的に高い評価を得た。

イ・チャンドン
1954年生まれ。小説家を経て、友人のパク・クァンス監督の誘いで映画界に。同監督の「あの島へ行きたい」で脚本と助監督、同じく「美しき青年 全泰壱」でも脚本を担当した後、「グリーンフィッシュ」にも出演している友人のミョン・ゲナムその他四人でイースト・フィルムを設立。本作でデビューする。1999年に二作目「ペパーミント・キャンディ」を脚本・監督。

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