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発売:クロックワークス レンタル中 |
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前回紹介の「カル」の謎がやはりどうしても気になり、ホームページを覗いてみたのだが、そこでも謎は全然解明されていませんでした。掲示板ではカンカンガクガク議論が交わされているのが、その殆どが最後に映る「水槽の中のあれ」についてであって、そんなのは別に謎でも何でもないんだよね。私の知りたいのは、あの「写真」に映っていた物がどんな意味を持ち、なぜその写真を見ただけでハン・ソッキュが「そうだったのか!」と思うのか、という一点なのだよ。誰か知っている人がいたら教えてください。
「カル」のひっぱりはこれぐらいにして、それでは今回の映画。今回はハン・ソッキュつながりで、彼が1997年に主演し、第35回大鐘賞・第18回清龍賞などあらゆる賞を総なめにして、現在の地位を築くキッカケとなった作品『グリーンフィッシュ』をご紹介。
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この映画の中のハン・ソッキュの役どころは、軍隊を除隊したばかりの若者。映画の冒頭、登場したばかりのソッキュは、「え、これが本当にあのハン・ソッキュ?」と思うほど、若く、そしてダサい。さもありなん。この映画は、ソッキュにとってまだ三本目の主演作、映画の中では26歳の役を演じている(実年齢は当時32歳)のだ。だが、映画が進行していくにつれ、この「若く」「ダサい」ソッキュが、どんどん魅力的になっていき、最後には我々がよく知っているあのハン・ソッキュになっていく。この映画で各賞を総なめにし、演技派としての地位を確立したというのも頷ける。この映画の中でのソッキュの成長の過程が、そのまま俳優としての成長にだぶって見える──もちろん順撮りで撮っているとは限らないわけだが、そう見えてしまう──ほど、この映画の最初と最後での彼の顔つき、雰囲気、演技、すべてが違うのだ。まさに名優誕生の瞬間に立ち会えるわけで、ソッキュファンならずとも、映画を観る醍醐味を味わえることだろう。
ところで、この映画の中でのソッキュの役名「マクトン」とは、「末っ子」という意味らしい。三郎とか四郎とかいう名前ならともかく、末っ子っていう名前、いいのか?(日本にも、「これで打ち止め」という意味で「トメ」という名前もあったりするが)しかもこの映画の中のソッキュには妹が一人おり、全然末っ子ではない。まあ上に兄が三人おり、男の兄弟としての末っ子、ということなのだろうが。ちなみに、二番目の兄を演じたのは、ソッキュの本当のお兄さんらしい。あんまり似てない。
さてこの映画、ジャンル分けしてしまえば、いわゆる「ヤクザ映画」ということになり、地方から上京してきた若者がひょんなことから組織の一員となり、親分の信頼を得て、対抗する組織のボスを刺し殺す・・・とあらすじだけ追ってしまえば、よくある日本のちんぴらヤクザ物と殆ど変わりはない。しかし、この映画がそれら日本のヤクザ映画、あるいは香港ノワールやハリウッドのギャングものとも決定的に違う点、そして韓国映画ならではの最大の特徴は、「家族」が大きなテーマになっている、ということであろう。
ソッキュ演ずるマクトンは、ヤクザ組織の一員になっても、常に家族の写真を持ち歩き、連絡も欠かさない。母親の誕生日には何をおいても田舎に帰る。自分がヤクザになったということは打ち明けていないこともあって、そこでの彼は普通の「子」であり「弟」である。親分から「お前の夢は何だ」と尋ねられた彼は、「家族みんなで食堂をやることです」と答えさえするのだ。
日本のヤクザ物では、ほとんど主人公の家族は描かれず、むしろ組織の親分を文字通り「親」とし、兄貴分を「兄」とする擬似家族としての組織が描かれることが多い。しかし、この映画では、家族とはあくまでマクトンの本当の家族のことである。もちろん、この映画の中でも組織の親分との擬似家族関係は描かれるのだが、それは脆くも崩壊するものとしてしか描かれない。そして、親分その人さえも、最後に自分の本当の「家族」を手にいれるのだ。
ラストシーンの途方もない美しさは、それがマクトンの夢が現実になった光景であるだけでなく、誰もが理想として描く「幸福」な光景そのものであるゆえだろう。だが、そこにハン・ソッキュの姿はない。とってもとっても悲しいラストシーンである。
監督のイ・チャンドンは、この映画がデビュー作。デビュー作にヤクザ物を選ぶというのは、普通だったら商売を考えて製作者から押し付けられたものであるケースが多いのだが、この監督の場合は、どうやら確信犯らしい。デビュー作でこれほどの秀作を撮りながら、まだ二本の作品しかないというのも、作品を選んでいる証拠だろう。要チェックの監督であることに間違いはない。
ところで、映画の中でヒロインのシム・ヘジンが、辛い事があるたびに唱える呪文のような言葉の意味が最後まで分からなかったのですが。誰か知っている人がいたら教えてください。

韓国公式ホームページ(韓国語・英語)
http://www.eastfilm.com/greenfish/
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コラムニスト 丸山 正樹
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いっぱいいっぱいのシナリオライター
相変わらず多忙な日々。ふだん忙しいのに慣れていないため、もうテンパってます。早くヒマにならないかなー。観たい映画も山積み。 今度韓国に行った時是非食べてみたいもの、ホットクとトンカス。

連絡先:maruyama@asianpalam.com
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| ▼『グリーンフィッシュ』データ |
1997 韓国/原題: (緑の魚) |
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---- CAST
| マクトン |
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ハン・ソッキュ |
| ミエ |
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シム・ヘジン |
| ペ・テゴン |
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ムン・ソングン |
| キム・ヤンギル |
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ミョン・ゲナム |
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---- STAFF
| 企画・製作 |
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ミョン・ゲナム
ヨ・ギュンドン |
| 監督 |
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イ・チャンドン |
| 脚本 |
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オ・スンウク |
| 撮影監督 |
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ユ・ヨンギル |
| 音楽監督 |
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イ・ドンジュン |
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| 製作 |
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イースト・フィルム |
| 製作投資・配給 |
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シネマ・サービス |
| 日本提供 |
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シネカノン |
| 日本配給 |
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クロックワークス |
日本ビデオ
・DVD発売 |
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クロックワークス |
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「グリーンフィッシュ」ストーリー
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兵役を終え汽車で故郷に向かう途中、マクトン(ハン・ソッキュ)は美しい女性ミエ(シム・ヘジン)に出会う。やがて仕事を求めてソウルに出てきたマクトンは、ナイトクラブの歌手であるミエと再会。彼女はその一帯を仕切る組織のボス、ペ・テゴン(ムン・ソングン)の情婦だった。ミエにほのかな想いを抱きつつも、テゴンを慕い、組織の中で次第に頭角を表わしていくマクトン。その頃、テゴンの兄貴分だったキム・ヤンギル(ミョン・ゲナム)が刑務所から出てくる。ヤンギルは自分以上に勢力をのばしていたテゴンが気に入らず、あらゆる手段でつぶしにかかってくる。マクトンは自分をここまで引き立ててくれたテゴンのため、ある決意をするのであった。出会った時からずっと返せずにいたミエのスカーフに火をつけて。
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マクトン
こういう名前の人は実際たぶんいない。家族の中でも末息子、組織の中でも一番後に入った末っ子ということでこんな名前を使ったのだろう。マクトンは末息子のことで、下に妹がいてもマクトン。男女あわせて一番下だったらマンネという。
イ・チャンドン
1954年生まれ。小説家を経て、友人のパク・クァンス監督の誘いで映画界に。同監督の「あの島へ行きたい」で脚本と助監督、同じく「美しき青年 全泰壱」でも脚本を担当した後、「グリーンフィッシュ」にも出演している友人のミョン・ゲナムその他四人でイースト・フィルムを設立。本作でデビューする。1999年に二作目「ペパーミント・キャンディ」を脚本・監督。
呪文のような言葉
「ボスパジー・シット・サムノイ・ボジェット」と言っているようだが、何語?
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