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発売:クロックワークス レンタル中 |
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というわけで(何が?)、今回は、「美術館の隣の動物園」に主演していたシム・ウナつながりで、ウナちゃんが「八月のクリスマス」以来、ハン・ソッキュと二度目の共演をはたしたサイコ・サスペンス映画、『カル』を紹介。韓国映画には珍しく猟奇的な殺人事件を描き、日本の映倫にあたる機関からあまりに猟奇的なシーンの削除勧告を受けたといういわくつきの作品。韓国では1999年に国内最大封切館数(当時)となる全国114館で公開され、大ヒットした。
リアルな死体造形、多用される夜と雨のシーン、闇の黒と血の赤のコントラスト、アクションシーンにおけるハイスピード撮影、細かく張られた伏線、息詰まる二大俳優の競演、とかなりレベルの高い映画である。監督のチャン・ユニョンのスタイリッシュな演出、サイコ・サスペンスとしての雰囲気づくりは、監督二本目とは思えない高度なもの・・・なのに、私は声を大にしていいたい。 |
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「ちゃんと分からせろよ!!」
いや、もちろん、分かる。誰が犯人で、なぜそんなことをしたのか分からないわけではない。だが、それは観客である私が、「ああ、作り手はきっとこういいたいんだな」とかなり好意的に解釈して、初めて分かるものであって、映画の最後で、刑事役であるハン・ソッキュがなぜそういう結論に達したかは、分からないのである。
誤解されると困るが、全部説明すればいいといっているわけではない。ヒントだけ与えて、あとは観客に考えさせるという映画ももちろんある。デビット・リンチの「マルホランド・ドライブ」などは全くわけが分からず、でもそれがかえって気持ちいいぐらいだった。だがこの映画の場合(「氷の微笑」という映画もそうだったな)、そういう高度な配慮で謎を投げかけているのではなく、肝心なところを「うっちゃって」いるのである。もうここまでやったんだからあとはこんなもんでいいだろう、と細部を詰めることを放棄してしまい、その結果、分からなくさせてしまっているのだ。こりゃ制作者の怠慢ですよ。
と書いてきても、映画を観ていない方にはなんのこっちゃ分からないだろう。そしてミステリー映画である性格上、はっきり分かるように書くこともできない。あー、もどかしい。仕方がないので、設定の紹介からもう一度始めましょう。
主役のハン・ソッキュは、母の死という傷と、贈賄の疑いを持たれているという負い目を持った(たぶん)エリート刑事。(この刑事たちの描き方は日本とほとんど同じだ。捜査本部みたいなものも設けられるし、ちゃんと二人でコンビを組んで捜査活動をする。そしてハン・ソッキュは最後で「本庁に復帰」みたいなことになる。韓国の警察にも日本の警視庁と地方警察、キャリアとノンキャリアみたいな区別があるのだろうか)
ハン刑事は、ある猟奇的な連続殺人の担当になる。ウナちゃんは中々出てこない。ようやく出てきたと思ったら、連続殺人の被害者の唯一の接点となる女性(みな、彼女とつきあったことがある)という役。めちゃめちゃ陰のある役で、ウナちゃんのトレードマークであるあの太陽のような輝きを持つ笑顔も今回は封印だ。ここがまず不満。もちろん笑わない彼女はそれはそれでとても美しく魅力的ではあるが、こういう役であればほかに適役がいたのではないか?わざわざ「八月のクリスマス」コンビを持ってくる必要があるのか?
まあそれはいい。で、次の不満は、ちょっとカンのいい観客だったら映画が始まって40分もすれば犯人の見当がつく(実はその犯人が本当に犯人だったのか?というどんでん返しが待っているのだが、それは後述する)のだが、ハン・ソッキュはじめとする刑事たちは全く見当違いの人間ばかり追いかけて、まるで馬鹿に見える。
そして、ミステリーとしての結末が見えてくるとなると、あとは刑事であるハン・ソッキュと、重要な事件関係者であるウナちゃんの関係がどうなるか、ということに当然興味が行くのだが、これがまたほとんど何も起こらない。映画の最後ではなんとなくそういった雰囲気が描かれるのだが、そこまでの細かい二人の心の交流が描かれないから、「何でウナちゃん急にそないなこと言いだすねん!」というツッコミを入れたくもなる。
で、ラストのどんでん返し。そこまでの伏線の張り方(一見無関係に思えた冒頭の泥棒墜死事件やウナちゃんの少女時代の描写など)が結構うまくいっていただけに、このどんでん返しはあまりに唐突であり、不可解だ。いや、しつこいようだけど、分かるんですよ、分かるんだけど分からない(どないやねん!)ええい、もう言っちゃえ!(映画観てない人ごめんなさい)
あの写真の意味はなんなの?
ハン・ソッキュがウナちゃんからもらったあの瓶の中の生き物とどういう関係があるの?あんな画面にちらっとしか映らないもので何を分かれというの?その後ハン刑事が部屋で発見する「あれ」は分かりますよ。でも、最初からそういう結論なのだとしたら、いろいろ矛盾がでてくるんじゃないかなあ。
ハン刑事はどうして犯人のアジトを発見できたの?途中でウナちゃんが襲われたのは誰の仕業?車の中での彼女と彼女の会話の意味は何?なぜ彼女は彼女をタワーレコードに呼び出したの?とここまで書いて、ビデオの最後を観たら、ご丁寧にも「カルをめぐる9つの謎」とかいう付録がついてて、上記を含む9つの謎が挙げられ、「その謎をとく鍵はここにあります」とかいって解説本とホームページの紹介がありやがった。頭にきたからそんなもの見ない。お願いだから映画だけで分からせてくれよ!分からせるというのは一つの技術ですよ。どう考えても、一つのカットで全てを明らかにするすべが見つからなかったからあんな感じで逃げた、としか思えないのである。
文句ついでに、邦題の「カル」はひどい。韓国語で「刃物」の意味だというが、原題(英語で「tell me something」)と全然違うばかりか、映画の中身も全く伝えていない。「シュリ」の次は「カル」だという配給会社のスケベ根性丸出しである。
あ、も一つ忘れてた。ハン刑事がウナちゃんに、護身用にと拳銃を渡したあげくその使い方まで教えるくだりがあるが、そりゃないだろう。韓国には銃刀法違反という法律はないのか!?
しかし、こんだけ文句言えるってのは、本当は結構面白い映画なのかもね。(どないやねん!三度目)
ホームページ http://www.nifty.com/kal/
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コラムニスト 丸山 正樹
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疲れたシナリオライター
なぜかハワイから帰ってきたら仕事が殺到。嬉しい悲鳴を挙げている。毎日仕事をするって、ほんと疲れるね。あ、大抵の人は毎日仕事してるのか。
韓国で好きな言葉は、「ケンチャナヨ」と「メッチュチュセヨ」

連絡先:maruyama@asianpalam.com
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| ▼『カル』データ |
1999 韓国/原題:tell me something |
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---- CAST
| チョ刑事 |
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ハン・ソッキュ |
| チェ・スヨン |
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シム・ウナ |
| オ・スンミン |
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ヨム・ジョンア |
| オ刑事 |
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チャン・ハンソン |
| ギヨン |
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ユ・ジュンサン |
| 検死官 |
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アン・ソクァン |
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---- STAFF
| 監督 |
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チャン・ユニョン |
| 製作 |
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ク・ボンハン、チャン・ユニョン |
| 原案 |
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ク・ボンハン |
| 脚本 |
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コン・スチャン/イン・ウナ/シム・ヘオン/キム・ウンジョン/チャン・ユニョン |
| 撮影 |
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キム・ソンボク |
| 音楽 |
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チョ・ヨンウク/パン・ジュンソク |
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| 製作・配給 |
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Koo & C フィルム/シネマ・サービス |
| 日本配給 |
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クロックワークス |
| 日本提供 |
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角川書店 |
| 日本宣伝 |
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ドラゴンキッカー |
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「カル」ストーリー
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連続して発生する3つの猟奇的な殺人事件。捜査を続けるチョ刑事(ハン・ソッキュ)は、殺された3人とかつて交際していた女性スヨン(シム・ウナ)へとたどりつく。誰が何のために殺しを重ねるのか。過去を語ろうとしないスヨン。被害者の体の一部がみな欠けているのはなぜなのか。なぞがなぞを呼び、そして迎える悪夢のような結末・・・。
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チャン・ユニョン
1967年ソウル生まれ。大学時代に8mm短編映画を撮り注目される。在学中に光州事件を描いた「五月──夢の国」をイ・ウン、ホン・ギソンらと共同制作。1990年にも「ストライキ前夜」を共同制作する。ハンガリーに映画留学した後、イ・ウンらと制作プロダクションを設立するが、この時代は全く売れずカラオケ用の映像などの仕事で何とかくいつないでいたという。1997年長編映画デビュー作「接続」を監督。第35回大鐘賞新人賞などを受賞。一躍時の人となった。
韓国の警察
全く日本と同じだと思う。ドラマや映画でもたたきあげの、足で捜査する刑事と頭で捜査しようとするエリート刑事の確執があったり。
韓国には銃刀法違反という法律はないのか!?
もちろん民間人は銃なんか持てない。ほとんどの男性は軍隊時代でライフルの扱いには慣れてるけどね。
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