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「ソウルの食べ方歩き方」路地裏安食堂探検ガイドへもどる

「ソウルの食べ方歩き方」の著者:中山茂大の未発表コラムをどうぞ。

「ソウルの食べ方歩き方」ボツ原稿復活シリーズ
第4回「大元旅館で泊まっていた変なアメリカ人。

この人は新潟で英語の先生をしていたという。それをやめて韓国と中国を旅行しているらしい。日本語が話せるのでいろいろと聞いてみたが、彼はカリフォルニア出身で、どうやら寒いところがダメらしいのだ。その日も彼はカゼをひいていて、僕たちの何倍もの服を重ね着してブルブルと震えながら英字新聞を切りぬいたりしていた。よくもまあ三年間も新潟で先生なんかしていたもんだと思った。

日本の食べ物は何が好き、と聞いてみたら、彼は一言「ラーメン」。寿司はどうだと聞くと、生の魚は食べられないんだそうだ。新潟に住んでたのに。もったいない。でもまあ冷たい飯よりあったかいスープってことなんだろうな。

今は日本人の彼女がいるらしく、旅行が終わったら横浜で彼女といっしょに住むんだそうだ。横浜の話になると急に元気になり、
「ヨコハマのラーメン博物館、何度も行きましたヨ」
と興奮したように話しだす彼であった。やれやれ。

ある日も僕たちがうだうだと宿にいるとマクドナルドのハンバーガーを大量に抱えて彼が帰ってきた。
「へえ、マックなんだ」
と僕たちがいうと、
「ハイ、今日はちょっと具合が悪いので自分の国の食べ物を買ってキタ。エヘエヘエヘ」
といって彼は笑った。カゼはまだ治ってないようだ。

何かのついでに将来もずっと日本に住むのか聞いてみたら、
「彼女がフランスに住みたいといっているんデス」
「へええ、へんなの。フランスも寒いんじゃないの」
「ハイ。でも新潟よりはいいと思いマス」
彼は相当懲りたらしい。

文・中山茂大

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ラインナップ 第12回「失礼な連中
  第11回「一ヶ月の取材の間、新村の下宿にお世話になった。
  第10回「となりの松坂が日本に来ることになった。
  第9回「韓国下宿生活
  第8回「へんな人その二
  第7回「アカスリ体験記パート2
  第6回「こまネタ
  第5回「まったく人の話を聞かないおっさん
  第4回「大元旅館で泊まっていた変なアメリカ人。
  第3回「ドミトリーおなら考
  第2回「怒れるサラリーマン
  第1回「冬なのに蚊がいるソウルの宿
 
写真BAR白&黒コミュニティの出版物

「ソウルの食べ方歩き方」路地裏安食堂探検ガイド ソウルの
食べ方歩き方

文:中山茂大
写真:Ju Jun Yong
イラスト:水野あきら
山と渓谷社
1200円(税別)

もっと詳しく

ロバと歩いた南米・アンデス紀行 ロバと歩いた
南米・アンデス
紀行

中山茂大
(なかやましげお)
双葉社
1,600円(税別)

「ソウルの食べ方歩き方」の著者・中山茂大の記念すべきデビュー作。ロバとともに南米大陸5700キロ徒歩の旅。強盗に襲われ、大雨にみまわれ、寒い日も暑い日も歩き続けた307日の記録。貧乏トラベルライター中山の原点がここにある。

ベトナム横丁喧喧録 ベトナム横丁
喧喧録

水野あきら
(みずのあきら)
文・イラスト
三修社
1,400円(税別)

「ソウルの食べ方歩き方」の詳細なイラストマップでもその持ち味を充分に発揮してくれた水野あきらの代表作。この本ではイラスト同様味のある文章で我々をベトナムに誘う。人込みの中でしゃがみ、街の底から、底抜けの活気の正体を見つめたベトナムの絵解き見聞録。カラーイラスト多数。

四国霊場徒歩遍路 四国霊場
徒歩遍路

小野庄一
(おのしょういち)
文・写真
中央公論新社
1,700円

弘法大師・空海の足跡を訪ねながら四国八十八ケ寺・1,400キロに及ぶ道程を48日かけて歩いた写真家が見たこと、感じたこと。スピリチュアルな写真と珍道中のエピソードで綴るフォト&エッセー。振り回され、助けられ、途方に暮れながら、少しづつ進んでいく等身大の徒歩遍路を読者も体験できるであろう。徒歩遍路必読ガイド&地図付き。

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